水質改善の記事一覧

寺社の池

2022.02.08.火

田無神社の龍神池

西東京市の田無神社の敷地内に、『龍神池』という幅4メートルほどの小さなビオトープ池があります。この龍神池は、宮司さんの「神社の中に、子どもたちが生きものとふれあえる場所を作りたい」という思いで、一から造られたビオトープ池です。私たちは2019年からこのビオトープ池の管理を引き受けています。

 

この池には、水循環用のポンプと水の浄化フィルターが設置されていますが、完成から3年が経過して落ち葉やヘドロが堆積してきたため、2021年12月16日にかいぼりを行いました。池の水を抜き、天日干しを行い、底泥をの乾かして水質の向上を図ります。

 

かいぼりの際には、クロスジギンヤンマやシオカラトンボの幼虫など合計6種類の生きものを確認することができました。飛翔能力のある生物は、自分でビオトープへとやってきてくれます。幼虫が見つかるということは、この場所で繁殖している証拠です。捕獲した生きものは境内で飼育し、復水後に再び龍神池へと放します。

クロスジギンヤンマのヤゴ

 

 

池はこの後、2月頃まで天日干しを行いながら濁りの原因であるヘドロの除去を進めていきます。底に溜まったヘドロには多くの栄養が含まれているため、境内にある畑の肥料として活用します。今後も定期的に池の環境改善を行うことで、生きものが住みやすい環境を維持していきます。

ひび割れた底泥

 

 

きれいになった池の様子を観に、ぜひ田無神社へお出かけください。

http://www.tanashijinja.or.jp/biotope/

(田無神社HP龍神池の紹介ページのリンク)

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外来種駆除

2019.10.10.木

宅部池

わたしたちが狭山公園の管理を開始した2006年には、宅部池の水は茶色く濁り、水草は全くなく、外来生物だらけでした。池で繁殖したオオクチバスはその下流の北川にも流出する事態となっていました。

こうした状況を打開するため、2010年11月と2016年1月にかいぼりを実施しました。特に2016年には水を完全に抜ききることに成功し、オオクチバス、コイ、ゲンゴロウブナ、ウシガエル、アカミミガメ等の外来生物および国内外来生物8種106個体を駆除。オオクチバスとコイは、根絶することに成功しました。残念ながら、かつて生息していたモツゴとウキゴリは宅部池では絶滅してしまったこともわかりました。

かいぼりの様子

かいぼりの様子

オオクチバス

オオクチバス

かいぼりの中で、驚くべき発見がありました。ヨコハマシジラガイ、イシガイ、ヌマガイという3種類の淡水性二枚貝が見つかったのです。ヨコハマシジラガイは東京都のレッドリスト(2010)で絶滅危惧Ⅰ類にランクされている希少種、そしてイシガイはなんと東京都で初めての確認であることがわかりました(未発表)。

イシガイ

イシガイ

また、長期間の池干しによって透明度が増した池の中でミゾフラスコもが見つかりました。これも東京都で初めての発見となりました(未発表)。

ミゾフラスコモ

ミゾフラスコモ

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外来種駆除

2021.07.26.月

しょうちゃん池

2018年4月、東村山市の市立北山公園しょうちゃん池でかいぼりを行いました。外来種の防除及び池の水質向上を目的とし、当日はボランティア74名が参加しました。

 

かいぼりの結果、外来魚8種(国内外来種2種含む)、在来種11種を捕獲。お腹に卵を持つ大きなオオクチバスの成魚もいました。ここで捕獲していなければ、産卵・増殖していた可能性が高く、良いタイミングでのかいぼり実施だったと言えます。

捕獲したナマズ

かいぼりと並行してこんな取組みも。
隣の八国山緑地ふたつ池を浚渫した際に発生した底泥を使用し、池の岸際に浅瀬を創出。土中に埋まっている水草の種子を発芽させる試みです。ここに水草が生育すれば、水生生物の隠れ場所やイトトンボ類の産卵場となり、しょうちゃん池の生物多様性が向上すると期待しています。

浅瀬創出の作業

八国山緑地のふたつ池の土を導入

池干しの間飼養していた在来種は、復水後に池に放流しました。

在来種放流のようす

かいぼり後(平成30年5月撮影)

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外来種駆除

2021.07.07.水

桜沢池

2018年12月、都立野山北・六道山公園の桜沢池でかいぼりを行いました。目的は池底の泥を天日干しすることによる水質改善と、外来種の除去による生物多様性の向上です。

 

外来種はコイ(18個体)、オオクチバス(14個体)、ブルーギル(2831個体)、ミシシッピアカミミガメ、ウシガエル、アメリカザリガニ、カワリヌマエビの仲間を捕獲。在来種はドジョウとコシアキトンボのヤゴのみで個体数も少なく、池の生態系は壊滅と言ってよい状況でした。

オオクチバス

ブルーギル

かいぼりにより、外来魚を全て駆除することができました。また、池の清掃を行い、水鳥などを傷付ける恐れがある釣り針等を回収しました。この清掃もかいぼりの大きな成果です。

かいぼり後(平成31年4月撮影)

しかし、2019年5月にオオクチバスの成魚が再び放流されているのが発見され、繁殖(多数の仔魚)を確認しました。悪質であるため、警察と連携して対応しています。なるべく早い段階で再び水を抜いて根絶させる予定です。

孵化した稚魚

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